有名なブレンデッドウイスキージョニーウォーカー ブラックラベル 12年」通称「ジョニ黒」を飲みました。
昔は高級ウイスキーの代名詞であったと聞きますが、それが¥2,000ちょっとで手に入るのだから、豊かな時代になったと思います。今回はちょい水足し、ロック、ハイボールで試しています。
ジョニーウォーカー ブラック 12年 印象
早速グラスに入れて香りを確かめると、かすかに爽やかなピートの香り。
続いて「青りんご」の如し芳香を確認。
一口含むとブワッと花のような香りが口から鼻に広がり、心地よい余韻を残して参ります。
最初はピートの香りを感じましたが、味はあまりスモーキーな感じはしませんでした。
ジョニーウォーカー ブラック 少し加水
次に少し加水をしてみます。
ピートの香りが後退し、りんごの香りに混じって何やら蜂蜜のような甘い香りが出てきました。味わうと非常にスムーズな口当たり。
穏やかで柔らかな味わいになりました。味わいは香りの印象と同じくかなり甘めで、蜂蜜のような味わい。
ウイスキー:水を3:1くらいの比率で入れましたが、この時点で物凄く飲みやすい。
人工的なアルコールの感じは全くなく、バニラアイスを食べたかのような余韻を感じています。
ジョニ黒 オン・ザ・ロック
ストレートに水ちょい足しが物凄く美味しいので、若干勿体ない気もしますが、ロックを試してみます。
まず氷だけで加水せずに確かめますと、飲みやすくまろやかです。味わいの印象は「ストレートに水ちょい足し」の状態とほとんど変わらず、冷たい分カドが取れた印象になっています。
氷で冷やしている状態ですが、香りがさほど死ぬこともなくジョニ黒の味わいをちゃんとキープしています。これはお見事。
ジョニ黒はロックにして楽しむべきウイスキーなのかもしれません。
氷で冷やしたのみで加水はしていないのですが、物凄く飲みやすいうえにマイルドなので、ロックのときはあえて加水をする必要はないのですが、一応足してみます。
ジョニ黒 オン・ザ・ロック+水はどうか?
物凄く上品な水割りといった印象になりましたが、さすがに香りがなくなってしまいました。
さっぱりと頂けますが、やはりロックにした時は水を入れない方が良いと思います。
ジョニ黒のハイボールも試してみた
2019.4.19 追記.
ハイボールを試してみたところスモーキーさが香る、よきハイボールになり申した。
ただ、やはりこのクラスのウイスキーはチビチビと味わいながら飲むのがよきかな。
ジョニーウォーカー ブラック 12年 総評
さてその味、あまり華やかさはありませんがこの非常に滑らかな口当たりはまるでシルクの如し。
そしてその味わいは重厚。いくつもの味が幾重にも重なった感じがします。
非常に完成度が高く、味わいの奥行きという点に関しては同価格帯のウイスキーの中では随一ではないでしょうか。
全体的な印象は物静かで渋いといった感じです。これは開栓後もあまり味の劣化が無かった気がします。
物静かで渋いが故に孤高な印象がありますが、その深さは孤独を大きく包み込んでくれるような雰囲気があり、非常に父性を感じるウイスキー。そんな感じです。
ジョニーウォーカー ブラック 12年 まとめ
久しぶりに飲んで、加筆しながら味わっているのですが物凄く良いウイスキーです。ブレンデッド・ウイスキーの良さを堪能するにはもってこいの一本。
自分の中の物差しを作るという意味で一度は飲んでおきたいところです。
ここからはジョニーウォーカーの蘊蓄になります。
ジョニーウォーカーの歴史
ジョニーウォーカーの名前の由来は創業者の「ジョン・ウォーカー」にちなんだもの。
食料雑貨店を営んでいたジョンは酒税の引き下げをきっかけに、ウイスキーの販売を強化。ところが当時のウイスキーの品質が安定していなかったため(当時は店に置いた樽のウイスキーをその場でブレンドして売っていた)、圧倒的閃きで予め調合したウイスキーの販売を開始して好評を博します。
その後、息子や孫の才覚で事業は拡大。
例えば1867年にウイスキーの大量生産をスタートしたジョンの息子、アレキサンダーはグラスゴーの大型船の船長たちに声をかけ、それぞれの渡航先にウイスキーを届けてもらう“アンバサダー” としての協力を取り付けます。これをきっかけにジョニーウォーカーは瞬く間に世界へ販路を拡大。1934年には英国王室御用達の名誉を授かり、名声を不動のものにします。

ジョニーウォーカーの製法
ジョニーウォーカーは穏やかな穀物由来のグレーンウイスキーにモルト原酒をブレンドしたブレンデッドウイスキーです。
その特徴は膨大なストックから厳選した原酒をブレンドしている点にあります。どこでいつ仕込まれたのか、どういった樽でどれくらい熟成させたかを管理して飲みやすい味わいのウイスキーを実現しています。さながら理論ベースのIDウイスキー。
ジョニーウォーカーの名を冠するウイスキーは種類も多く、マスターブレンダー、ジム・ビバレッジ氏によりラグジュアリーウイスキーという新たなカテゴリーも創出されています。
ジョニーウォーカーのキーモルト
ジョニーウォーカーのキーモルトには
- カードゥ
- タリスカー
- クライヌリッシュ
- ラガヴーリン
- カリラ
などが使用されています。タリスカー、カリラ、ラガヴーリンなど、スモーキーで華やかな原酒がブレンドされているのが特色です。
カードゥ(Cardhu)
スペイサイドで最も古い蒸溜所のひとつであるカードゥ蒸留所で作られるウイスキー。シングルモルトウイスキーとしても1888年から人気のブランドです。軽やかでスムースな口当たりと柑橘系のスパイシーな香りも楽しめる、スッキリとした味わいのウイスキーです。
タリスカー(Talisker)
タリスカー蒸留所は1830年、スカイ島に設立された蒸留所で、現在はスカイ島に存在する唯一の蒸留所になっています。スモーキーな香りとスパイシーな味わいが特徴のウイスキーで、シングルモルトウイスキーとしても人気を博しています。
クライヌリッシュ(CLYNELISH)
クライヌリッシュはスコットランドの北ハイランド地方でつくられているシングルモルトウイスキーです。原酒の95%がブレンデッドウイスキー向けに生産されていて、残りの5%がシングルモルトウイスキーとして販売されています。
ラガヴーリン(LAGAVULIN)
アイラの女王の名を持つシングルモルトウイスキー。スモーキーにして華やかな香りは唯一無二の存在です。勝手に「奇跡のウイスキー」と呼んでいます。飲むチャンスがあればぜひ。
カリラ(CAOL ILA)
同じくアイラ島で生産されているウイスキーです。アイラ由来の磯っぽい香りとドライでスパイシーな味わいが特徴のウイスキーです。
特徴的なラベルの秘密
ジョニーウォーカーのラベルは大きく3つの特徴があります。
- ストライドマンのイラスト
- ナナメに貼ったラベル
- 四角いボトル
ジョニーウォーカーと聞くと、多くの人がストライドマンのイラストを思い浮かべるでしょう。インパクトのあるイラストは創業者のジョン・ウォーカー氏がモデルになっています。村上春樹の「海辺のカフカ」でもおなじみです。
②の斜めに貼ったボトルは目を引くだけでなく、文字を大きく印刷できるというメリットがあるそうです。また、船荷として運んでいたウイスキーは四角いボトルにすることで破損を防ぎ、積載量を増やすという合理的な理由があります。
ジョニーウォーカーに関する蘊蓄 まとめ
膨大なストックが生み出すジョニーウォーカーは多種多様。まずはジョニーウォーカー レッドから初めて見るのがいいと思います。