皆様、ご機嫌いかがでしょうか。私の方はムイ・ビエンです。
先日、アマゾン主催のブロガーの集い、「クラフトバーボンセミナー」に紹介され、行って参りました故、そのレポートです。
こういった「ブロガーを招待するイベント」があるということは、某(それがし)も存じ上げておりましたが、まさかこのヘッポコブログにそんなお声がかかるとは思わず。
というわけで電車で1時間半の道のりを意気揚々と実際には身動ぎ一つしないで電車に乗って出かけてゆくのでした。
さて、今回の集いは、今サントリーが力を入れているクラフトバーボン(後述します)をより多くの人に知ってもらうため、ブロガーの人達へ情報提供しようというものです。周りは一眼レフを携えたガチのブロガー様方。
20人ほどいらっしゃいましたが、そんななかiPhoneで写真を撮るのは私以外にあと1人くらい。
場違い感をしっかりとかつ意味なく演出してきました。そんなことが可能なのもiPhoneならでは。
今回は少し長いですが、バーボンの説明、クラフトバーボンの説明、そこで味わったバーボンのレビューというラインアップでお届けします。最後までお付き合いください。

バーボンとは
バーボンはアメリカン・ウイスキーの1つで、主原料の51%以上がトウモロコシ・ライ麦・小麦・大麦であることがバーボンを名乗る条件になっています。それを蒸留したものを、内側を焦がしたホワイトオーク樽で熟成したものがバーボンです。
特有の甘さと焦がしたホワイトオークの香りが特徴のウイスキーで、良質なアメリカ産穀物のうま味がダイレクトに感じられる力強いウイスキーです。
クラフトバーボンって何?
クラフトバーボンとは何かという話ですが、プレミアムバーボンと理解すればいいと思います。
そのあらましはバーボンの歴史を作ってきたビーム家(ジムビームのビーム)の6代目当主である「ブッカー・ノー」氏が、禁酒法以前の時代につくっていた力強い味わいのバーボンを復刻しようということで着手したのが始まり。
単なる復刻ではなく、バーボン理想の香味への技術革新や、徹底した樽貯蔵管理で誕生したのが「ノブ クリーク」「ブッカーズ」「ベイカーズ」などのプレミアムバーボンです。
今は7代目フレッド・ノー氏に受け継がれ、より高みを目指して香味探究をし続けているとのことです。
そんな手間ひまかけたウイスキーなので、当然、生産数量が限られた少量生産のウイスキーであります。
要するに限定生産の超うまいバーボンということです。
ちなみに、クラフトというのは、クラフトマンシップ=職人魂ということなので、手作りというニュアンスがあると思います。
試飲会の様子
前置きはこれくらいにして当時の様子を。
場所は都内のオサレなカフェテリア。
受付をする前に会場に入ろうとして、駅の改札で扉が開かず、駅員が走ってくる感じを演出した後、受付をすませ着席。するとそこには6つのテイスティンググラスにふたをしたものが。

- ベイゼル ヘイデン
- ノブ クリーク
- ノブクリーク シングルバレル
- ノブ クリーク ライ
- ベイカーズ
- ブッカーズ
という盤石ぶり。その盤石ぶりはかつてのホークスのローテ、斎藤・新垣・杉内・和田を彷彿とさせます。
「ノブ クリーク」はいつしか飲んでみたいと思っていましたが、高嶺のバーボンと思っていた「ブッカーズ」まであり、思わずニンマリ。
ひとしきりバーボンについての説明を聞きつつ(上で書いたようなことです)試飲。その気になる味わいはっ!?
ベイゼル・ヘイデン Basil Hayden's
「カナディアンファンが唸る8年熟成。ライ麦の心地よいフレーバー」というキャッチコピー。
ややピリッとした心地よい刺激がありつつ、軽快な飲み口です。
アルコールにおける「スパイシー」という表現は説明が難しいのですが、確かにいわれてみるとスパイシーです。
さらにわずかにペッパーミントの香りを確認。これは今までに味わったことのないものです。心地よい余韻が長く続く。アルコール度数は標準的な40度。

ノブクリーク Knob Creek
年数は9年熟成。
ラベルにも「aged nine years」と小さく書いてあります。
今回試飲させていただいたものは総じて通常のものより長い熟成期間を経ていますが、あまりスコッチみたいにでかでかと書いているものはないですね。
「9年超長期熟成の力強いフレーバーとリッチな甘み」とありますが、さもありなん。ほんの一口で濃厚な甘み、力強い味わいがガツーンと伝わってきます。果実やフルーツの香りがブワッと香ります。これはすごいインパクトです。
度数は50度とかなり高めの設定になっています。
ノブクリーク シングルバレル Knob Creek Single Barrel
シングルバレルになると色も明らかに濃い金色となり、さらに甘みがアップ。
リッチな味わい、ものすごい強い鼻に抜ける味わいです。その後、かすかな木の香りとレーズンを凝縮したような甘みがあります。このレーズンのような甘みは佳酒「オーバン 14年」に通じるものがあります。
度数はなんと60%。
ストレートで飲むには明らかにきついですが、本来の味を確かめるためにも最初はぜひチェイサーを用意した上で、ストレートを試すことをおすすめします。
あまり一気に入れると多分(ていうか絶対)「むせる」ので慎重にいきましょう。
ノブクリーク ライ Knob Creek Rye
こちらは名のとおりライ麦の酒。厳密な定義でいうとバーボンではないみたいなのですが味わいは紛れもなくバーボンです。
味はかなりベイゼル ヘイデンに近いものがありますが、ペッパーの意外な味わいなどを考えるとベイゼル ヘイデンにわずかに軍配が上がるかなという感じです。
まあ私見なのでこのあたりはなんともいえません。
ベイカーズ Baker's
でかでかとプリントされたBの文字が印象的な一本。
ミディアムボディで甘い果実香のある、この中でいうとバランスがとれた味わいといったところでしょうか。
ただミディアムボデーといっても、どうしてもノブクリークなどで舌が慣れた状態ですから、普段飲むとフルボデーに近いんでしょうな。
香りはやや控えめかなという感じがしましたが、こちらも57度。
パンフレットにはバニラ・キャラメルの香り、焙ったナッツの味わいとあります。
Booker's ブッカーズ
名ブレンダー「ブッカー・ノー」の最高傑作にしてプレミアムバーボンの頂点に君臨するバーボンの王様。
「深い熟成感と高い度数を感じさせない滑らかな最高峰バーボン」とあります。
作り方がまた酔狂で、6~8年熟成させた樽をひとつひとつチェックし、最高峰にふさわしいと思う原酒を厳選してボトリングするとのこと。
加水・濾過なしでそのままボトリング。
当然ボトルにより多少の味のバラツキが存在するという、なんとも面白いお酒です。その生い立ちからバーの方に愛されているとのこと。
そんなウイスキーを評するなどおこがましいですが、ストレートで飲んでみたらば渋い、熟成されきった味わい。
ただピークを過ぎた感じではなく、ピークを迎えきった瞬間ボトリングした、といったようなぎりぎりを攻めているような感じをうけました。
味わいは強烈そのもの。口というか顔全体に味わいが広がっていく感じです。
これまで紹介したものもおいしいですが、これはちょっと別格な感じを受けました。バーボンファンならずとも一度は飲んでみることをおすすめします。
総括
どれを飲んでもケチャ・ウマニティ、そんな夢のようなイベントでありました。
後日、家に残っていた¥2,000クラスのバーボンを飲んでみましたが、やはり、すこし寂しい感じになってしまいました。
味わいの広がり方が全然違います。わかり易く戦闘力でいうと8と53万くらいの違いですかね。
それでもここで紹介したバーボン、そんなにめちゃくちゃ値が張るわけではありません。大体¥4,000台で揃っています。
実のところ、度数の高さを考えるとめちゃくちゃお得です。
なにせブッカーズの度数は64.45%(!)。通常のウイスキーの約2倍の濃さ。さらに容量が750mlなので単純計算で実質¥3,000にもならない値段なのです。
取り敢えず一度飲んでみることをおすすめします。ブッカーズを飲まずにバーボンを語ることなかれ。