スコッチ

独自製法が生み出すバニラの香り「バランタイン ハードファイヤード」

2018年3月18日

バランタイン ハードファイヤード

こんにちは。ナイス・チョイスともぞうです。

よほどデュワーズ 12年にしようかと思いましたが、今回はバランタインシリーズのバランタイン ハードファイヤードを選びました。

ハードファイヤード製法とは熟成に使う樽にをアルコールが少し残った状態で火を入れ、バニラの香りとかすかなスモークっぽさを生む方法だそうです。

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バランタイン ハードファイヤードとは

「バランタイン ハードファイヤード」はスコットランドのウイスキーブランドである「バランタイン」が発売している、スモーキーでパンチの効いたフレーバーが特徴的なウイスキーの1つです。バランタイン社が所有するモルト・ウイスキー蒸留所のうち1つであるグレンバーギー蒸留所で作られたモルト・ウイスキーをベースにしており、その後、ピート焙煎された麦芽を使用して、スモーキーでダイナミックな風味が加えられています。ウイスキーの色は、アンバーゴールドからディープゴールドまでの範囲にわたり、スモーキーでスパイシーな香りと味わいがあります。

バランタイン ハードファイヤード 印象

バランタイン ハードファイヤード、見た目がかなり濃い。人工的な感じのしない、自然な感じの琥珀色の色合いです。

このクラスのウイスキーによくある甘みとかすかなスモーク感とともに、やや薬品ぽいアルコール感がやってきます。まあ開栓直後のアルコール感は想定内。そのうち落ち着くことでしょう。

しばらくグラスの中で待ってみたならどうでしょう。かなり香りが立ってきました。フェイマスグラウス、あるいはニッカ ディープブレンドに通じる香りがします。

このヨード香はあまり得意ではないのですが、まあいいでしょう。

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バランタイン ハードファイヤード 味わい

意を決して一口飲むと、ガッっとした力強いスモークの香りと甘み、ふくよかなフィニッシュと続いていきます。香りはニッカ ディープブレンドっぽいと感じましたが、味わいの印象は全く違う。

口に含むとアルコールのヒリっとした感じがかなりマイルドです。

また、ハードファイアー製法が生み出すと思われるスモークっぽさですが、アイラのものとは全く違った種類のスモークっぽさです。

さらにほのかに感じる甘みの濃度が濃い。後味は少しバーボンぽいですが、味わい全体としてはやはりスコッチです。これは当たり。我ながらナイス・チョイスです。

バランタイン ハードファイヤード+水

次にわずかに水を垂らしてみます。

香りがかなり穏やかになり、バニラっぽい甘い香りが際立ちます。

飲むとかなり軽やかで、酸味のある小気味よい味わいへと変化。

スモークっぽさは弱まるものの、しっかりと残っています。

ストレートで飲むとハードボイルドな雰囲気を感じさせますが、少し水を垂らすと、かなりポップでライトな味わいへと印象が変化。しなしながら鼻に抜けさせると、やはりしっかりとした味わいがちゃんと存在します。

バランタイン ハードファイヤード オンザロック

バランタイン ハードファイヤードをロックにしてみます。冷やした分、香りは死にました。飲むと冷たいです。

まあそんなことは置いておいて、ロックにすると飲みやすいのですが、甘みとスモークっぽさはあるものの、いまいちパンチがなく、かすかにエグみが出てきました。

あまりロックには向かないかも、という印象です。

バランタイン ハードファイヤードを飲んでみて

バランタイン ハードファイヤード、個人的になかなか気に入りました。

アイラとはまた違ったスモークっぽさのある面白いウイスキーです。スコッチ党の人もバーボン党の人も違和感なく楽しめる一品だと思います。

価格に関しては、¥2,000ちょうどくらいなので、まあ順当といった感じです。普通のウイスキーに飲み飽きた人におすすめするウイスキーです。

バランタイン ハードファイヤードが終売したので別商品を紹介しています

ここからはバランタインに関する蘊蓄になります。

バランタインの歴史

バランタイン社の創業者はジョージ・バランタイン。スコットランドのエディンバラに小さな食料品店を開いたのが始まりです。

最初のうちは食料品が中心だったそうですが、徐々にワイン、ウイスキーの取り扱いを拡大。

26年後、ジョージの友人が熟成期間の異なる数種類のモルトウイスキーを混ぜ合わせた製品を発売して成功。

その成功に感銘を受けたジョージは穏やかなグレーンウイスキーと個性豊かなモルトウイスキーのブレンドに可能性を感じで試行錯誤の日々が始まります。70代にさしかかる頃には優れたウイスキー・ブレンダーとして広く名前が知られるようになり、取引先も世界へと広がっていきます。

1895年、ヴィクトリア女王によりバランタイン社に王室御用達の名誉が与えられ、さらに大きく飛躍することになりました。ジョージ以降、長い歴史の中でもたった4人のマスター・ブレンダーにより今日まで進化を続けています。

バランタインの製法

バランタインは穀物由来のグレーンウイスキーをベースに、複数のモルトウイスキーをブレンドしたブレンデッドウイスキーになります。スコットランドの原酒を使って製造しているので、「ブレンデッド スコッチ ウイスキー」ということになります。1910年発売以来、バランタイン社の主要な輸出製品となっています。

また、バランタイン社の設立者であるジョージ・バランタインはブレンデッドウイスキーの産みの親ともいわれます。

というのも、ブレンドするという行為自体は新しいものではなかったのですが、当時のブレンドは金儲けしか頭にないウイスキー商や宿屋の主人たちがこっそりとウイスキーに安酒を混ぜて売っていたらしい。

ジョージ・バランタンが目指したのは全く逆で、各種のウイスキーを組み合わせることで、個々の原酒に勝る味わいをつくりだそうとしたのが今日に至るブレンデッドウイスキーの源流となっています。

バランタインはスコットランドの4つの生産地であるスペイサイド・ハイランド・アイラ・ローランドから40種類のモルト原酒をつかってブレンドされています。その原酒を「4,000酒類の香りをかぎ分ける」といわれるマスターブレンダーが絶妙な配合でブレンド。なお、時代と共に味は少しづつ変化しています。

バランタインのキーモルト

バランタインのキーモルトには

  • グレンバーギー
  • ミルトンダフ
  • グレントファーズ

があります。それぞれ軽くご紹介します。

グレンバーギー(GLENBURGIE)

1810年創業。スコットランド最大のウイスキー生産地、スペイサイドで207年もの間稼働してきたグレンバーギー蒸溜所で生み出される原酒は、バランタインの中核を担っています。赤リンゴや洋ナシ、カシスのようなフルーティーさと、ハチミツのような甘美さが醸し出す、バランスがとれたアロマ香るリッチな味わいが特長です。シングルモルトウイスキーも12年、15年、18年というラインナップがあり、グレンバーギー15年はISC 2020において、最高賞であるトロフィーを受賞しています。

ミルトンダフ(MILTONDUFF)

1824年創業、スペイサイドで生み出される原酒は同じくバランタインの骨格を担う力強いシングルモルト。シナモンが仄かに香るフローラルな香りのウイスキーです。

グレントファーズ(GLENTAUCHERS)

バランタインの繊細な後味を決定づけるシングルモルト。ヘザーの花を思わせる繊細な芳香と口の中に広がるソフトベリーのような香味と甘みが大きな特長となっています。

バランタインの隠し味

キーモルトにはあまりスモーキーなものはないのですが、バランタイン独特の微かなスモーキーフレーバーはアイラ島で作られている「ラフロイグ」由来。突出した味わいがないようにブレンドしているのでラフロイグ感は仄かに感じる程度ですが、バランタインにラフロイグをほんの僅かに垂らして飲んでみるのもまた一興。

バランタインのボトルに描かれた紋章の秘密

バランタインの紋章
盾の中に4つの要素が描かれる

中央の盾の部分は4つに分かれていて、ウイスキー作りの4台要素になっています。

左上がウイスキーの原料となる「大麦」。水につけて発芽させ、ある程度のところで発芽をとめて乾燥させます。そのときの熱源に使うのがピートと呼ばれる泥炭で、ウイスキー独特のスモーキーな味わいを生み出します。

右上が「原野を走る清流」です。粉砕した麦芽は清冽な水とまじりあって麦汁となります。これに酵母を加えて発酵させることによりアルコールと芳香成分が生まれます。

左下がポットスチル(蒸留窯)。水とアルコールの沸点の違いを利用してアルコールと香味成分を取り出します。通常は2回蒸留され、若い無力透明のモルトウイスキーが出来上がります。樽熟成が発見される以前はこれをそのまま飲んでいたそうです。

右下に描かれるているのはオーク樽。ウイスキーはオーク樽をゆりかごにして、長い時間をかけて味を滑らかにしていきます。ウイスキーの琥珀色はこの時に着く色です。

バランタインの蘊蓄 まとめ

長い歴史や拘りを聞くと同じバランタイン ファイネストでもよりありがたく感じます。これぞウイスキー!という味わいは一度は試して損はありません。

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ともぞう

ウイスキー初心者のアラフォー会社員です。ほかに『Chrome通信』や『OLD ROOKIE』を運用しています。

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